学習活動の様子をお知らせします!

八二養の日々

「雪」も捉え方次第

 「雪」がたくさん降ると、私は少し憂鬱な気分になります。
 
 でも、先生方の捉えは違うようでした。
 朝の職員室の中で「雪かきができるぞ。」そんな声が聞こえてきました。
 そして、朝の活動を終えると、中学部の生徒たちはお隣のうみねこ塾さんへ続く道路の雪かきに繰り出していました。
 
 ある生徒が1回雪をかいた後に「道ができた。」と言っているのが聞こえました。
 なるほど、雪かきには、ビフォー・アフターのわかりやすさがあるなあ、改めて気付きました。
  
 生徒たちは、きれいになる道路を見て達成感を感じながら、どんどん作業を続けます。    
 
 そこに、ちょうどよいタイミングで、うみねこ塾の塾長さんが通りかかりました。子供たちに「ありがとう」と声を掛けてくれました。

 その瞬間、「雪かきができるぞ。」の意味がストンと自分の中に落ちていきました。

 同じ「雪」ですがどのように捉えるのかによって、生活の質が変わりますね。
 
 自分の身の周りで起きている様々なことをどのように受け止められるか、生活が充実するかどうかはそこにかかっているのかもしれませんね。
 

授業の中での教師の学び ー校内研究発表会からー

 
 先生たちは、国語、算数・数学、音楽・・・など各教科等のグループに分かれ、月に1回の校内研究日に、授業の動画や教材を持ち寄って、どのように改善すればより子供の考える力を引き出せるのかを検討してきました。
 今日は各グループからの報告とまとめを発表する日でした。
  
 各グループ検討の中で出てきた自ら「考える」授業づくりのアイディアを大まかに分類すると以下のようになります。
 
 研究を端的にまとめてしまうと、全く新しいことというよりは「やっぱりそこが大切だよね。」ということが出てきます。
 だったらまとめたことだけ知っていればいいじゃないの、と言う人がいるかもしれません。でも、それだけでは上手くいかないのが現場というものです(他の職業でもそうですよね)。理屈だけではどうしても上手くいかない。それが現実。
 だからこそ、私たちは授業の中での学びを大切にしたいのです。

 例えば、「教材の工夫」が大切だよねで終わってしまうと実践には生きません。その工夫は、技能的にできるためなのか、手順が分かるためなのか、興味を引くためなのかなど、子供と授業という場を共有し、子供のことをしっかり見ている先生だからこそ、明確になるのだと思います。そして、子供に合わせてどのように工夫できるかを考えることも、その場にいる先生だからこそできることです。
 授業研究は、そうしたリアルな営みから学ぶ貴重な機会です。書籍からは学べない、子供たちとの関係の中からの学びです。だから教師という仕事はやりがいがあるのだと思います。

 今回の研究の成果は、まとめそのものということもあるかもしれませんが、研究の中で先生たちが考えた過程の中にこそあるものなのかもしれません。
 そのことを一人一人が意識し、次の授業づくりにつなげていきたいと思います。

 本校で大切にしている「授業づくりのポイント」 表紙と1ページ
 
 
 

目的を明確にすること-食堂清掃から-

 今日はどんな学習をしているのかなと楽しみにしながら校内を歩いていると、目にとまったのが、給食後、食堂の掃除をしている6年生の姿。4月から中学生になる子供たちです。
 ほうき隊が行く
 
 
 テーブルの下に潜り込んで、一所懸命に床を拭いています。
  
 モップもあるのに、どうして?と一瞬思いましたが、ある子供の様子を見て、そういうことか!と勝手に納得してしまいました。
 
  「うわっ、ここ汚い!」「あっ、ここも」そう言いながら床を拭く手に力を込めています。
 床に近い位置で、直接手作業で行うからこそ、汚れを認識し、汚れを落とそうという目的が明確になっていると直感しました。
   
 道具は便利ですが、便利で楽であるが故に、そういう大切な視点をスルーしてしまうことがあるかもしれませんね。私はどちらかというと形だけやって、後でやり直し!と言われるタイプです・・・。
 今日、掃除をしていた子供たちは、大切な視点を持った上で、便利な道具の使用に移行していくのでしょう。清掃をする目的を明確に感じている子供たちはきっと今後も丁寧な仕事ができる人に育っていくこと間違いなしです。
  
 今日の食堂清掃から、目的を明確にすることの大切さを学びました。
 
 この記事を書きながら考えていると、家庭でも、ただ掃除機をかける、ただ洗濯機に放り込むなど目的を明確にしないまま何となくバタバタとやっていることが多いように思いました。
 ちょっとだけ気持ちの余裕を持ち、「ちょっとほこりっぽいな」「あっ、汚れがあるな」などとこれからやるべきことの目的を少しだけ明確にしてから取り組んでみると、達成感が上がるのかもしれません(特に子供たちはそういうことに意識を向けるのが苦手なことが多いですよね、どうしても形だけになりがちです)。
 忙しいから・・・と言われそうですが、そういうちょっとした時間を子供たちと一緒に丁寧に過ごすことは、勉強しなさい、プリントやりなさいと言うよりずっと子供たちの学びにつながるのではないかと思います。

生徒会任命式から

 「責任のある行動をしなさい」表現の違いはあるにしても、私たちは子供の頃からそう言われて生きてきたのではないでしょうか。
 そういえば、家庭でも「信用が崩れるのは一瞬、信用は責任ある行動で積み上げることが大切だ。」と言ったばかり。
 それは分かっているはずなのですが、自分にどのような「責任」があるのか、あえて意識する機会が無ければ「責任」の自覚は薄れ、行動は崩れていきます。行動が崩れると「責任」もどんどん失われていきます。魔の悪循環です。 

 だから、機会あるごとに「責任」の自覚を促す必要があるのだと思います。
 
 最近そういうことを考えていたこともあって、今日の生徒会任命式は、校長室という特別な空間で、校長先生という特別な存在から任命書を受け取ることで、生徒の代表であるという「責任」を自覚する機会のように私の目に映りました。
 短い時間ですが、こうした自覚を促す取組は教育活動を進めていく上でもとても大切なことだと思います。生徒会活動に限らず、児童生徒には、何のため、誰のために、自分は何を考え、何をするのか常に問いかける姿勢を持っている必要があるなと思いました(もちろん自分自身にもですが)。
  
 校長先生の言葉をかみしめるように聞く新生徒会長  任命書を力強く受け取る副会長
 
 生徒会長、副会長は今日の「責任」の自覚を常に意識しながらリーダーシップを発揮してほしいと思います。しかし、人は常に同じ気持ちではいられないことも事実です。そこは、生徒全員が生徒会長、副会長を中心にまとまろう、支えようとするフォロワーシップを発揮する必要があります。生徒会は、誰かがやるものではなく、みんなで作っていくものであるからです。
 この誰かのためにという視点を忘れさえしなければ、「責任」を放棄してしまうことはないでしょう。だから、お互いに相手のことを思う気持ちが大切なのだと思います。
 中学部の生徒の皆さんには、お互いに支え合う中で、自分の「責任」を自覚し、それぞれのできることを生かして八戸第二養護学校を引っ張る存在になってほしいと思います。
 

 
 

授業開始

 冬季休業が終わり、本日から授業が始まりました。

 冬季休業の間に学校の中はリニューアルしました。
 その一部を御紹介します。

1 玄関前の階段に手すりが付きました。
 歩行が不安定な子のために設置しましたが、雪が降っている今の時期は、みんなに優しい設備です。誰かのためと思っていたことが結局はみんなに優しく、誰もが使えるものになっている、いわゆるユニバーサルデザインにつながっています。
 

2 教室にプロジェクターが付きました。
 各教室のホワイトボードの上に設置されました。ICT環境の整備が一気に進んでいます。これを活用しながら、より楽しく、分かりやすい授業を目指します。
 

3 エアコン(音楽室ほか)が設置されました。
 各教室に加え、特別教室の一部にもエアコンが設置されました。より快適な環境で学習ができるようになります。
 

4 床の工事完了
 工事が終わった床は足を踏み入れるのを遠慮してしまうほどきれいに。
 

5 先生たちも
(1)校内の人材、オンラインを活用した研修で知識と技能のリニューアル。
(2)大学を卒業したばかりの元気な教員が仲間入り(自転車相当速いらしいです:暴走ではなく、競技で)。 

 ハード、ソフト両面から充実を図った冬季休業を経て、子供たちを迎えました。
 今日は、ハード面の変化に敏感に気付いた子供たちでしたが、そのうちにソフト面の変化にも気付いてくれるはずです。ソフト面の変化への気付きは、子供たちの笑顔が教えてくれることでしょう。