学習活動の様子をお知らせします!

2021年4月の記事一覧

思わず走り出したくなるグラウンド

 中学部の生徒が数日にわたってグラウンド整備をしてくれました。

 昨年度は新型コロナウイルス感染防止のため、PTAの環境整備作業がなかったこともあり、いつもの年よりもグラウンドに草が目立つ状況でした。
 
 中学部の生徒たちは、トラックの部分に生えた草を丁寧に抜き、トンボとブラシでならしていました。
 
 その様子を見ながら、中学部主任と立ち話をしているときに、「仕事が終わったらランニングしてから帰りたくなりますね。」という言葉が私の口を突いて出ました。
 きれいなグラウンドという環境が、元陸上部の私に走りたいという気持ち、走ることの意味を与えてくれました。

 このように環境が人や動物に与える意味のことをアフォーダンスと言います。
 草ボーボーのグラウンドは、私のやる気をなくし、何もしなくていいという意味を与えてくれていたのですが、中学部の生徒たちには草を取る、きれいにするという意味を与えてくれたのかもしれません。

 それぞれが持つ経験によってどのような行動が誘発されるか様々だと思いますが、今回の中学部の生徒たちの作業は、私だけではなく、本校の児童生徒、教職員にいろいろな意味を与えてくれることは確実です。「やりがい」のある作業でしたね。

 さて、コロナ禍で思い切り体を動かす機会が減っている中ですが、きれいなグラウンドとちょうど暖かくなってきた気候という環境から、みんな「体を動かそう」というメッセージを受け取ってくれたらうれしいなと思います。

 そう考えながら、子供たちにとっては私たち大人も環境の一部だということが頭に浮かびました。若いときによく言われていたことです。改めて、子供たちの行動は大人という環境次第という面もあるということを肝に銘じ、子供たちに様々な意味を届けられるようになりたいと思いました。

第1回いじめ防止委員会が開かれました。

 いじめ防止委員会は、いじめを未然に防ぐこと、いじめがあった場合でも早期に発見して適切に対応することを目的に設置され、開催しているものです。
 
 今日は、いじめ防止専門員を委嘱した浦辺先生にも出席いただき、本校のいじめ防止の基本方針やいじめの防止体制について確認しました。

 全員で確認したのは、まず子供たちの声に耳を傾けること。
 本校では、生活アンケートを年3回実施しており、一昨年、子供たちが自分の気持ちを素直に表現してくれるようにアンケート用紙を工夫しました。そうすると、子供たちが自分の思いやこうなりたいという願いなどを自分の言葉で書いてくれるようになりました。
 そうした子供の素直な声や行動がポジティブな方向に向いているのか、逆にネガティブな方向に向いているのかを感じ取ることによって、子供の心のありようを捉え、それに沿った関わりをしていきたいと思います。そのためには、、保護者の皆さんの感じ方などをお知らせいただくことも大切です。家庭と学校、関係する施設での情報交換をしっかりしていきたいと思います。
 このことは、いじめがあった場合でも、できるだけ早期に発見する上でとても大切なことであると考えています。
 
 そして、いじめに気付いたら、マニュアルに沿った迅速な対応をすること。
 対応が遅れれば、いじめられた側もいじめた側も心の傷は深くなってしまいます。関係する職員で情報を共有し、望ましい解決に向かう方法を整理して対応していきたいと思います。

 今回の委員会では、子供の声を聞いたり、保護者の皆様の感覚をお伝えいただいたりすることが何よりも大切になるということを改めて確認しました。そういった情報のやりとりが出来る前提には何を置いても信頼関係がなければなりません。面談や連絡帳などを通して、小さなことでも普段からやりとりを重ねていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

緊張を乗り越えた先に ~全校集会①~

令和3年度最初の全校集会が行われました。

今日は、新しい生徒会役員が自己紹介をすることになっていました。
始まる前の様子から、緊張感が伝わってきます。


 司会を担当した集会委員会の女子生徒は、昨年度も全校集会を経験していることもあり、始まる前のトークも絶好調!進行も滞りなく進めていきます。
 その様子を見て、生徒会役員の3名の男子生徒も意を決し、マイクの前に立って、用意していた自己紹介をしっかりすることが出来ました。
 
 終わった後の穏やかな表情を見て、相当緊張していたのだなと改めて彼らの気持ちに思いを巡らせました。
 緊張の中、よくがんばったと思います。様々な重圧を感じながら、自分らしくやりきることは、口で言うほど簡単ではありません。緊張にのまれて力を発揮できない場合もたくさんあります。だからこそ、経験を重ねることが大切なのだと思います。
 今日の緊張を乗り越えた3人は、確実にバージョンアップしたはずです。次の全校集会からは、生徒会役員が進行を務めることになっています。
 きっと今日の経験が生きることでしょう。期待しています。

 

歯科検診で感じる成長

 本日、歯科検診が行われました。

 私は、一人の男の子に密着取材することにしました。

 その子は、昨年の歯科検診では、検診の教室に入ることが出来ず、廊下で先生の膝の上に座りながら、何とかがんばって口を開けていたRくんです。

昨年度の歯科検診の記事にも登場したRくんです。


 私は、最近の学習の様子を見ていて、今年はきっと一人で歯科検診を受けることが出来るのではないかと期待していました。

 Rくんは、頼まれたことにしっかり応えられる、自分のやるべきことを確実に行う、約束を守ってがまんするなど、周囲の状況や他者を意識して自分の行動をコントロールできるようになってきていました。これは成長を見るいいチャンスだと思ったわけです。

 検診の列に並んでいるときから、「僕はがんばるよ。」とアピールしながら、いざ歯科医の前へ。

今日のRくんの様子


 予想通り、「はい口開けて~。」という歯科医の言葉に合わせて大きく口を開け、しっかり診てもらうことができました。

 歯科検診が出来るようになるには、もちろん慣れも必要ですが、子供自身が周りの物事をどう受け止めるか、それに合わせて自分の行動をどれだけコントロールできるかといった子供自身の総合的な発達も大きく関係しているのだということがよく分かりました。これは他のことでもそうですよね。
 私たちの指導はそういう面から子供たちを支えるものになっているのだと認識を新たにしました。

 期待の目で見ていたのは、私だけではなかったようで、その様子を見ていた先生たちも彼の成長を喜んでいました。

 成長の瞬間に立ち会えるうれしさを味わうと、そういう瞬間をたくさん作れるようにがんばろうという思いが湧いてきますね。


入学式

 本日、小学部20名、中学部19名を迎え、入学式が行われました。
 今回は、学部ごとに、新入生と保護者、式の進行に関わる教職員のみで入学式を実施しました。

 それぞれの式の雰囲気を短く表現すると、
 中学部の式は、「再会の喜びの中、自分で判断する。」でしょうか。
 久しぶりの登校で少しうれしい気持ちになりつつも、式の最中は司会の言葉に合わせてしっかり行動することができていました。卒業式と違って、練習をする時間もないのですが、それでもしっかり動けるのは小学部(小学校)の積み重ねがあってのことでしょう。

 

 小学部の式は、「お母さんお父さんに支えられながら、新しいことを受け止める。」でしょうか。
 様々なことに興味をもち、いろいろ探索して回っていた子供たちでしたが、式が始まるとお母さんの膝の上だったり、お父さんの抱っこだったり、それぞれの落ち着きどころに収まりながら、進行に合わせて一緒に立ったり座ったり、礼をしたりしていました。
 私は、司会をしながら思わず頷いてしまいました。誰かの支えを受けながらでも、新しいことを受け止めて応じていくことがすべての始まりのように思います。

 それぞれの年齢に応じて、式へ参加しようとする姿がほほえましく、明日からの学習活動への期待がどんどんふくらんできました。明日から元気に登校してきてくださいね。一緒に学習するのを楽しみに待っています。

生徒会長の挨拶 100点の出来でした。         新入生代表挨拶 立派な態度に感激しました。
 
※生徒会長は、中学部、小学部の入学式で歓迎の言葉を述べました。
 小学部新入生の保護者の皆さんが、生徒会長の姿を見る目は、うちの子も中学生になったらあんな風になれるかな?という憧れの目のように感じました。