学習活動の様子をお知らせします!

2021年6月の記事一覧

校内実習で学ぶこと

 中学部では、今日から1週間、校内実習が行われています。
 生徒たちが作業学習で取り組んでいることを集中的に行う期間です。

  畑班 畝を立てています      畝の上面をならしています
  

 私は、つい気合いを入れてがんばろうと思ってしまう質なのですが、学習の様子を見ていると、張り切る子供たちの意欲を受け止めつつ、肩の力を抜いてあげる言葉掛けが聞かれました。気合いを注入したい私としては、少し拍子抜けしてしまいましたが、よく考えてみるとその真意が分かりました。 

 普段の作業学習はせいぜい2時間、外に作業に行っても半日程度で終了です。
 しかし、1週間の実習は、1日に作業をする時間が長いこと、作業を毎日続けるということなど、いつもとは比べものにならない負荷が掛かるのです。だから、ペース配分を大切に考え、最終日まで作業を続けられるようにしているのだなと思いました。

 スタートダッシュだけよくても、最後まで持続できなければ「できなかった」ことだけが残ります。最後までやりきった実感が「できた」という達成感につながります。そう考えると、やはりペースというのは大切です。最初は先生が調整しながら、少しずつ自分でコントロールできるように。
 校内実習にはそういう面の学習効果もあったか・・・。改めてその意味を知りました。



 

スクールバスが12台の朝

 6月2日(水)から11日(金)まで、5日に分散して「学校見学会」を開催しています。
 来年度、本校に入学・転学を考えている方を対象に、学校のことを説明したり、授業の様子を見ていただいたりしています。

 その中で、「本校では、スクールバスを6台運行しています。今年は、感染症防止対策のため、乗車人数を半分程度に減らすため、乗車率の高い朝の時間帯は、12台で運行しています。」と説明しています。


 そう説明していて、12台で運行しているバスの様子をまだ知らない方もいたかもしれないと気付きました。そこで朝の様子を少し紹介します。

 校門脇にいつもの6台のバスが駐まり、


 駐車場の奥の方にさらに6台が駐まる。


 このほかに送迎サービスの車、保護者さんも入ってきます。
 どこかのバスターミナルかと思うほどの光景です。

 その中を、
 バスから降りてくるおよそ160人の子供たち、
 送迎されてきた30人の子供たち、
 12名の添乗の先生、
 12名の介助員さん、
 そして出迎えに出る先生たち数十名が行き交います。

 活気があって1日のスタートを感じる時間であると同時に、安全面で細心の注意を払わなければならない時間でもあります。

 ですから、安全のための約束がいくつかあります。
 例えば、「車が動くときは、歩行者用の信号を赤にしてその場で止まる」という約束。
 
 初めのうちは信号のカードやミニチュア信号をもって子供たちに「赤」であることを伝え、一緒に止まって待つように指導している姿が見られます。
 また、待つときに手持ち無沙汰だとすぐに動きたくなってしまうので、子供たちが好きな歌を歌ったり、ちょっと体をブルブルさせて遊んだり、様々な工夫をしながら待つということができるようにしている姿もよく見ます。
 1年生のときに泣いていたあの子が、今は余裕の表情で止まって待てる、という姿を見ると積み重ねが持つ力の大きさを感じます。
 
 遊びの場面や学習の場面では待つ時間は少ない方がいいのですが、このような安全に関わるところでは待つこともとても大切なことですね。止まれないと事故に遭ってしまいますから。
 毎日、毎日、信号に合わせて止まるということの繰り返しですが、その中で子供たちは自分をコントロールすることも学んでいるんだなと思います。
 朝と帰りの日常的な光景ですが、そういう目で見ると一歩一歩確実に成長している子供たちの姿を感じることができます。
 
 今は「なんで止まらなきゃいけないんだよ~」と思っているであろうあの子も、いつか信号に合わせて行動できるようになるんだろうな。その日がくるのが楽しみです。

 

眼科検診をきっかけに「見る」大切さを考えた

 眼科検診が行われました。
 

 何事も心配しているのは私だけのようで、子供たちは落ち着いた様子で検診を受けていました。
 ※個人的に、目に何か近付いてくる恐怖は耐えがたく、歯科検診よりも眼科検診の方が緊張感が高いです。

 学校では、視力検査と眼科検診で子供たちの「見え」に関する情報を得ています。
 視力検査ではどれくらいの解像度があるか(細かいところが見えるか)を測ることができます。
 眼科検診では、目の病気があるかどうかを調べることができます。

 視力がよく、眼病もなければ、ちゃんと見えているはず、なのですが、必ずしもそうとは言いきれないのが難しいところです。
 
 このほかにも、目を動かす力、見るべきものとそうでないものを区別する力など様々な力が総合的に絡み合って「見る」ということができているということを意識しておかなければなりません。
 また、ものを見る経験をしないと、見える目を持っていてもしっかり見ることはできないのだそうです。

 ですから、視力検査や眼科検診で見る力の基盤となることを把握し、必要であれば治療やめがね等の補助具の調整をすることが前提となりますが、学習や生活の中で多様な「見る」経験ができる機会を用意することが大切になります。
 具体的には、ゲームやテレビ、動画視聴などの一方的に入ってくるものの時間を減らし、自分から見ようとするもの(絵本、間違い探し、積み木、ブロック、プラレール、パズル・・・)を増やしていくということになります。
 そういう活動は、大人と子供の共同活動になりやすいのもよいところ。
 子供の頃の気持ちに戻って一緒に楽しんでみてはいかがですか。

避難訓練に学ぶ、事前と事後の学習の大切さ

 地震を想定した避難訓練を行いました。

 今年3月に校舎の大規模改修工事が完了したことから、今回初めてグラウンドへの避難を行いました。
 子供たちも、私たちも初めてということで、前日までに先生方は様々な疑問を出し合い、確認しながら訓練当日に備えていました。災害時のことなので、確認しすぎということはありません。イメージがしっかりできるまで、納得ができるまで確認するというのはとてもよいことです。
 
<ちょっと脱線>
 本校は教員の数も多いので、「おっ、そういうところに気付くか!」と感じることが多くあります。多くの目で、様々な角度から物事を見ることができるというのが本校のいいところだなと思います。今回初めての場所への避難ということで、先生方の力が結集する機会となり、校長先生の言う「みんなで、みんなを」につながる取組になったなと思いました。

 さて、初めてのことというのは、私たち以上に子供たちも不安なはずです。
 特に、小学部の1年生はどうかなとちょっと心配していました。
 ところが・・・

  
一人で                 友達と一緒に             先生と一緒に

 訓練放送に驚きながらも、見事に机の下に避難することができていました。

 話を聞いてそれも納得。
 事前に、隠れる練習をしたり、避難経路を確認して一度動いてみたりしっかり学習を積み重ねていたそうです。
 さらに、不安な気持ちに打ち勝つためには、友達とのつながり、教師との信頼関係がとても大切なのはいうまでもありませんが、そういったところも普段からの積み重ねが生きたのかなと思えました。

 そうした避難の様子を見ていた校長先生は、講評の中で子供たちをたくさん褒めてくれました。
 

「ヘルメットはみんなの命を守るもの。しっかり被って避難できて○」