学習活動の様子をお知らせします!

八二養の日々

注意深く見ること、積み重ねることの成果あり

 中学部2年1組の教室で、市川主任栄養士による食育の授業が行われました。
 テーマは「バランスのよい食事」

 ある日の給食を取り上げて、使われている食材を考えたり、3つに分類した栄養素(①体温を上げ、体を動かすもとになるもの、②筋肉や歯、骨をつくるもとになるもの、③風邪をひきにくくしたり、おなかの調子を整えたりするもの)に分けてみたりという学習が展開されました。


 生徒たちは給食の写真をよく見ながら、食材を言い当てていきます。

 しかし、その次の3つの栄養素に分類するのは難しいだろうな、と勝手に思いながら授業を見ていました。

 その思いはよい意味で裏切られました。
 生徒たちは、100%とはいかないまでもほぼ正確に分類しているのです。
 
 そう言えば、思い当たる節がありました。
 食堂の前にはこの分類表が掲示されています。立ち止まってよく見ている姿を見かけるなあと思い出しました。

 そしてもう一つ、そうだ、この子たちは、小学生の時に給食の放送をしていた子供たちだということに気付いたのです。

 普段から目にする環境の中で今日の食材は何色の栄養かな?と注意深く見ること、自分で給食メニューを読み上げたり、掲示板の整理をしたりする学習の積み重ねが、今日の姿につながっていることに感動すら覚えました。

 日々の生活の中でしっかり子供たちの中に知識を積み上げてくれている主任栄養士さんをはじめ、給食に関わる皆さんの取り組みの成果を見ることができてうれしく思いました。
 その意図を汲んでしっかり学んでいる子供たちはもちろん素晴らしい!

 そんなこともあって、私は、給食を食べながら、今日は何が入っているのかな?といつもより注意深く確認しながら食べてみました。そうすると、実に様々な食材が使われていることに気付きました。
 そして、注意をしっかり向けると素材の味もより鮮明に感じることができるような気がしました。
 こんなに栄養を考えて作られたおいしい給食を今まで急いでかき込んでいたのはもったいない!と反省・・・。
 
 明日は、前期の終業式。前期の給食最後の日です。
 生徒たちに負けないよう、今日の学習を生かして明日の給食に使われている食材にたくさん気付けるように注意深く見ながら、味わいたいと思います。


青森県特別支援学校総合スポーツ大会



 今日は、第1回青森県特別支援学校総合スポーツ大会の日です。
 
 本来ならば、本校の中学部生徒もあのユニフォームを着て、他校の生徒と競い合う姿が見られるはずでした。

 しかし、感染症防止対策を優先せざるを得ない事態になったことから、競技の実施方法を工夫し、各校をオンラインでつなぐ形式で大会が開催されることとなりました。
 本校では当日開催の競技には参加せず、各学校で実施した記録の提出による参加の仕方となりました。
 
 生徒たちは、当日の競技はありませんが、やはり試合の様子が気になるようで、午後から行われているオンラインバレーボールの様子を体育館や美術室などに分散、集合して、観戦していました。
  
 中には、ユニフォームを着て観戦している生徒もいました。
 また、バレーボールの動きについて、先生に質問し、レクチャーを受ける生徒もいました。
 見ていると、やりたくなってきますよね。
 
 そんな姿を見ていると、無責任な私は、やっぱりやらせてあげたかったなと思わずにはいられません。様々な大会が中止になり、日頃の成果を発揮する場がなくなってしまうのは悔しいですよね。楽しみにしていた子供たちがいるだけに、本当に悔しいです。

 でも、子供たちの安全を最優先に判断し、当日まで、オンラインでもできる競技のやり方、運営の工夫など様々準備してこられた方々のことを思うと、オンラインであっても開催していただいたことに感謝しなければならないなと思います。

 普通に実施していたら、何事も当たり前で、このスポーツ大会に対する子供たちの思いまで感じ取ることはできなかったかもしれません。
 今回は、困難な中でも開催していただいたおかげで、子供たちがどんな思いでこのスポーツ大会を見ていたかを知ることができました。主催者の皆さん、参加した生徒の皆さんありがとうございました。

 来年こそは、直接顔を合わせて、競い合う大会になることを期待したいと思います。

 

  

ユニフォームに込められた思いを力に!

 新しいユニフォームが完成しました。
  
 緑と白、リバーシブルで着用できます。

 このユニフォームは、特別支援学校スポーツ大会やサッカーなどの交流試合のときに着用するものです。30着あるので、校内での練習試合でも活用できます。
 気持ちも新たに、今まで以上の力を発揮してくれることを期待しています。
 
 デザインは、本校の若手教員によるもので、考案者の専門であるバスケットボールのユニフォームのイメージとなっています(かっこいい!)。
 なお、肩のところにある蜂2匹は、本校の略称「八二(はちに)」から来ていて、本校親父の会のTシャツで採用されていたマークです。
 これは、かわいいと評判であったこと、親父の会のパワーにあやかりたいとの思いから子供たちのユニフォームにも採用されたと聞いています。
 
 ユニフォームに込められた思いがきっと子供たちの力になることでしょう。

  

地道な作業+地道な作業=成果

 今年の夏も暑かった・・・。
 夏季休業が明けてグラウンドを見ると、トラックの土の部分が芝生の草に浸食されて緑色に染まりかけていました。
 トラックがトラックであるうちに手を打たないと、大変なことになってしまいます。

 そんなときに頼りになるが、中学部の生徒です。
 作業学習の時間などを利用して、グラウンドの草取りをしてくれていました。
 機械を使うことができない部分なので、一本一本丁寧に草を抜いています。
 気が遠くなるような作業ですが、生徒たちは黙々と取り組みます。


 
 生徒の姿から、「没頭する力」と「小さなことからコツコツと」の大切さを改めて感じました。
 生徒たちが抜いた一本一本の積み重ねできれいなトラックが戻ってきました。
 ありがとうございます。

 きっとグラウンドを走った小学部の児童たちもいつもよりペースが上がったと思います。

 これからも学校のみんのために活躍する中学生であってほしいと思います。
 期待しています。そして、頼りにしています。

校長先生と一緒に!

 夏季休業が明けてから、感染症対策がより厳しくなり、学習集団もより小さくということが求められました。
 学級単位での学習が多くなり、ちょっと刺激が少ないかなあと心配していました。
 
 ところが、校内を歩いていると、いつもは見かけない人が教室の中に・・・。
 
  
 
  校長先生です。

  「まねっこ」の活動をしているところに通りかかった校長先生を誘って一緒に学習していたということでした。

 自ら刺激を求め、近くにいる人を巻き込んで学習を充実させる力を持っている子供たちの姿を見て、少し安心しました。
 また、困難な状況だからこそ、子供たちの声にしっかり耳を傾けて、その気持ちに応えていくことで学習の充実につなげなければならないなと思いました。
 
 そうしたことを率先して実践している校長先生の姿に刺激を受けたのは私だけではないはずです。

 子供たちの発信を受け止めながら、みんなで充実した学習を作っていきたいと思います。 

 

体を動かす楽しさ、心地よさから始めよう

 本校では、令和2年度から毎日運動する時間を設けています。
 その理由として、肥満傾向にある児童生徒が多いこと、登下校も送迎によることが多く絶対的な運動量が少ないこと等があります。そして、このままでは、将来の生活の基盤となる健康が脅かされてしまう、働いたり余暇を楽しんだりする体力が育たない・・・といった心配がありました。
 体を動かす楽しさ、心地よさ、目標をもって取り組む意義を感じることができれば、運動の習慣が身に付いていく、そして健康に一歩近付く、そう考えて準備し、取り組んでいます。
 
 ちょうどコロナ禍に巻き込まれ、当初予定していた活動はできませんが、それでも様々な運動が展開されています。
 今日はその様子を紹介します。
 
会話のできるスピードでスロージョギング         ちょっとスピードアップして競走(インターバル走になっています)

 友達と一緒に取り組むことで単調と思われがちな走ることも楽しい運動になります。
 競走するタイミングも二人で決めることで「よしやるぞ」と意欲がぐんと高まっています。
 ※スロージョギングとインターバル走の効果の説明は他に譲りますが、とても効果的な運動です。


 
室内でも歩いたり、走ったり                 階段を軽快に駆け上がる

 集団の動き、運動の流れに乗って自然に体を動かすことを大切にしています。
 階段を駆け上がる子に「軽い動きだね」と声を掛けると、「見ててね。」と、やる気満々に、さらに軽快な動きで駆け上がって見せてくれました。


 
動画を見ながら体操                     楽しいけど運動効果抜群のトランポリン

 まねをするのが得意な子供たちは、動画と自分がシンクロすることが楽しいようです。
 体に伝わる感覚を楽しみ、それを繰り返し味わうことで相当な運動量が確保されるトランポリンはなかなかの優れものです。

 意欲を支えるために必要な、「交流感」(他者と関わっている感じ)、「有能感」(自分はできるという感じ)、「自己決定感」(自分で決める感じ)が活動のあちらこちらで見られます。
 
 これらを大切にしながら、私たちが意図している体を動かす楽しさ、心地よさ、目標をもって取り組む意義を感じるということは形になりつつあると考えています。
 
 あとはそれを健康に結びつけることです。
 肥満の解消という形で成果が見られることを期待しつつ、今後も継続して、楽しく、心地よく体を動かすことに取り組んで行きたいと思います。

夏季休業前の全校集会

 放送による全校集会が行われました。

  
 外崎教頭先生からは、夏休みは好きなことに打ち込める時間、好きなことを増やせる時間というお話がありました。好きなことに取り組んでいると人は生き生きしますよね。
 普段はちょっとがまんしていることに思う存分取り組んでほしいと思います。
 そして、この機会にぜひ新しい好きなことも見つけてほしいなと思います。

 ただし、生活指導部の先生からお話があったように、生活リズムを整えること、手伝いをすること、安全に気をつけて遊ぶことなど一定のきまりの中で生活することを忘れてはいけません。好きなことといってもゲームやテレビ三昧という過ごし方がよいかどうかしっかり考えてみましょう。

 さて、全校集会は職員室からの放送を聞きながら、各教室でテレビを見て参加する形態をとっています。各教室ではどんな様子かな?と見に行ってみると・・・
   
 これは、全部小学部1年生の写真です。
 入学してから4か月の間に、先生のお話をよく聞いたり、テレビで示した画像に注目して見たりすることができるようになっていました

 中学部の1年生を見てみると、
 
 さらに立派な態度、姿勢で参加しています。

 こうした全校集会などの機会に、年齢段階を意識してみると、成長の様子を感じることができます。
 例えば、
 小学部1年生は、隣に座っている先生にピタッとくっつきながら自分で座れるようになってきたな。
 小学部4年生は、先生の言葉掛けを聞いて座ったり立ったり自分でコントロールしているな。
 中学部1年生は、放送を聞きながら自分で次の行動を準備しているな。
といった感じです。

 今は、各教室で実施しているので、他との比較ができにくく、子供たちや担任の先生たちはその成長の段階を捉えることは難しいのかもしれませんが、端から見ているとはっきり成長の跡を感じることができます。
 一方で、身近にとてもよいモデルがいるのにもったいないなという気持ちにもなります。

 みんな一緒に集会ができるようになったときには、近くにいる先輩の姿を見てまねをする、先輩は手本となるようにがんばるなど、相互作用が生まれることでより学習が充実するだろうなと期待がふくらみます。

 はやくそういう日が戻ってきてほしいなと思います。

学習の成果を発表する場

 小学部の児童が下校して、先生方が職員室に戻ってきた頃、中学部の女子生徒が「失礼します。」と元気な声で入ってきました。
 
 「これから、作業学習の家庭班で作った製品を販売します。よろしければどうぞ。」
 その表情と態度から、がんばって作った製品を見てほしい、それを評価してほしいという気持ちが感じられました。
 職員室にいた先生たちもその気持ちを感じ取ったのでしょう、密にならないようにと気を遣いながら、順番に買い求めていました。
 
 販売していたのは、「ポチ袋」と「巾着袋」。
 「これはどうやって作ったの?」、「どうしてこの大きさにしたの?」様々な質問が飛んできます。
 想定していなかった質問もあるし、「今度は●●の袋があるといいなあ」など要望も出てきます。
 

 一つ一つの質問・要望に丁寧に応えようと考えている姿が頼もしく見えました。きっと、お客さんの要望に応える製品を検討・工夫する中で、さらに学習が充実することでしょう。

 今回は家庭班でしたが、夏季休業が終わってしばらくすると、作業学習の成果を発表する場がたくさん用意されます。
 その度に、生徒たちの自信に満ちた製品アピールなどを聞くことが楽しみです。
 生徒たちが自信をもってアピールする姿は、学習の充実度を物語るよい指標ですから。

「本物」が放つ魅力

 今日は、ヴァンラーレ八戸を招いてサッカーの授業が行われました。
 
 私たちも授業の前に手本を見せることがありますが、子供たちの理解の役には立っても、今日のように憧れや羨望のまなざしで見られることはなかなかありません。
 やはり「本物」は違うなと思います。
 
 相手の足下への正確なパス、そして、ピタッと足下に収める正確なトラップ・・・ド素人の私でもその高度な技術が分かります。子供たちも同じように感じたのでしょう。
  

 「本物」に触れると何が違うか?
 まず、子供たちのやる気が違います。
 「本物」の選手に見てもらいたい、自分もそうなりたい、「本物」の選手に認められたい、自然にそういう気持ちが湧いてくるようで、いつも以上に力が入っているように感じられました。

 そして、「本物」は子供たちの夢にも影響を与えます。
 私は確かに聞きました。
 「僕、サッカー選手になりたいという気持ちが大きくなってきたな。」
 中学部1年生男子のこの言葉がすべてを物語っていますね。

 子供たちのやる気、そして将来の夢に与えた影響、今回の授業は大成功でした。
 ヴァンラーレ八戸の皆さん、ありがとうございました。

ボッチャで学ぶ大切な「コントロール」 

 児童生徒にスポーツに親しんでもらうという目的で、2021年度特別支援学校における障害者スポーツ推進事業によるボッチャの授業が行われました。
 
 ボッチャは、赤、青の各6個のボールをルールに従って投げていき、的となる「ジャックボール」に一番近いボールの色のチームに得点が入るというゲームです。

 今日は、地域総合型スポーツクラブHachinohe Clubから講師を招いて教えていただきました。
 

 ボッチャは、ボールを転がすことができれば参加することができます。
 つまり、誰でも参加できる、楽しめるというユニバーサルスポーツの理念にぴったりなんです。

 
 ゲームのやり方、ルールはシンプルでも、ジャックボールに向かって、投げるボールをコントロールするためには様々な力が必要になります。
 ものを見る力、注意を持続する力、意図通り体を動かす力、そして、気持ちをちょうどよいレベルに維持する力などです。これは日々の学習で大事にしていることと重なります。

ナイスコントロール!(集めたわけではありません。ねらって投げた結果です!)
※これを、ボッチャが上手くできたというのはもちろん、様々な力を総動員することができた結果だと捉えることがとても大切な視点ですね。
 
 子供たちは、「ボッチャをがんばる」「勝ちたい」という気持ちで、一所懸命に取り組むことによって、こうした力を無意識のうちに発揮しようとします。それが子供の成長につながります。ボッチャに限らず、スポーツのよさはそういうところにあるのだと思います。

 今後も、サッカー(中学部)、フライングディスク(小学部)など外部講師を招いてスポーツの授業が行われます。
 勝敗を競いながらも、スポーツを通して子供たちの様々な力を総合的に伸ばしているという視点で授業を展開することで、スポーツの楽しさを味わう、工夫する面白さを感じる、上手くいった達成感を得るなど、子供たちがスポーツを通して学ぶときに大切な気持ちを育てたり、引き出したりする関わりができるのではないかと思います。

 今回のボッチャを見ていて、何をやるかも大事ですが、そこで何を学んでいるかを意識して子供と関わることを大事にしたいなということを感じました。