学習活動の様子をお知らせします!

八二養の日々

目的を明確にすること-食堂清掃から-

 今日はどんな学習をしているのかなと楽しみにしながら校内を歩いていると、目にとまったのが、給食後、食堂の掃除をしている6年生の姿。4月から中学生になる子供たちです。
 ほうき隊が行く
 
 
 テーブルの下に潜り込んで、一所懸命に床を拭いています。
  
 モップもあるのに、どうして?と一瞬思いましたが、ある子供の様子を見て、そういうことか!と勝手に納得してしまいました。
 
  「うわっ、ここ汚い!」「あっ、ここも」そう言いながら床を拭く手に力を込めています。
 床に近い位置で、直接手作業で行うからこそ、汚れを認識し、汚れを落とそうという目的が明確になっていると直感しました。
   
 道具は便利ですが、便利で楽であるが故に、そういう大切な視点をスルーしてしまうことがあるかもしれませんね。私はどちらかというと形だけやって、後でやり直し!と言われるタイプです・・・。
 今日、掃除をしていた子供たちは、大切な視点を持った上で、便利な道具の使用に移行していくのでしょう。清掃をする目的を明確に感じている子供たちはきっと今後も丁寧な仕事ができる人に育っていくこと間違いなしです。
  
 今日の食堂清掃から、目的を明確にすることの大切さを学びました。
 
 この記事を書きながら考えていると、家庭でも、ただ掃除機をかける、ただ洗濯機に放り込むなど目的を明確にしないまま何となくバタバタとやっていることが多いように思いました。
 ちょっとだけ気持ちの余裕を持ち、「ちょっとほこりっぽいな」「あっ、汚れがあるな」などとこれからやるべきことの目的を少しだけ明確にしてから取り組んでみると、達成感が上がるのかもしれません(特に子供たちはそういうことに意識を向けるのが苦手なことが多いですよね、どうしても形だけになりがちです)。
 忙しいから・・・と言われそうですが、そういうちょっとした時間を子供たちと一緒に丁寧に過ごすことは、勉強しなさい、プリントやりなさいと言うよりずっと子供たちの学びにつながるのではないかと思います。

生徒会任命式から

 「責任のある行動をしなさい」表現の違いはあるにしても、私たちは子供の頃からそう言われて生きてきたのではないでしょうか。
 そういえば、家庭でも「信用が崩れるのは一瞬、信用は責任ある行動で積み上げることが大切だ。」と言ったばかり。
 それは分かっているはずなのですが、自分にどのような「責任」があるのか、あえて意識する機会が無ければ「責任」の自覚は薄れ、行動は崩れていきます。行動が崩れると「責任」もどんどん失われていきます。魔の悪循環です。 

 だから、機会あるごとに「責任」の自覚を促す必要があるのだと思います。
 
 最近そういうことを考えていたこともあって、今日の生徒会任命式は、校長室という特別な空間で、校長先生という特別な存在から任命書を受け取ることで、生徒の代表であるという「責任」を自覚する機会のように私の目に映りました。
 短い時間ですが、こうした自覚を促す取組は教育活動を進めていく上でもとても大切なことだと思います。生徒会活動に限らず、児童生徒には、何のため、誰のために、自分は何を考え、何をするのか常に問いかける姿勢を持っている必要があるなと思いました(もちろん自分自身にもですが)。
  
 校長先生の言葉をかみしめるように聞く新生徒会長  任命書を力強く受け取る副会長
 
 生徒会長、副会長は今日の「責任」の自覚を常に意識しながらリーダーシップを発揮してほしいと思います。しかし、人は常に同じ気持ちではいられないことも事実です。そこは、生徒全員が生徒会長、副会長を中心にまとまろう、支えようとするフォロワーシップを発揮する必要があります。生徒会は、誰かがやるものではなく、みんなで作っていくものであるからです。
 この誰かのためにという視点を忘れさえしなければ、「責任」を放棄してしまうことはないでしょう。だから、お互いに相手のことを思う気持ちが大切なのだと思います。
 中学部の生徒の皆さんには、お互いに支え合う中で、自分の「責任」を自覚し、それぞれのできることを生かして八戸第二養護学校を引っ張る存在になってほしいと思います。
 

 
 

授業開始

 冬季休業が終わり、本日から授業が始まりました。

 冬季休業の間に学校の中はリニューアルしました。
 その一部を御紹介します。

1 玄関前の階段に手すりが付きました。
 歩行が不安定な子のために設置しましたが、雪が降っている今の時期は、みんなに優しい設備です。誰かのためと思っていたことが結局はみんなに優しく、誰もが使えるものになっている、いわゆるユニバーサルデザインにつながっています。
 

2 教室にプロジェクターが付きました。
 各教室のホワイトボードの上に設置されました。ICT環境の整備が一気に進んでいます。これを活用しながら、より楽しく、分かりやすい授業を目指します。
 

3 エアコン(音楽室ほか)が設置されました。
 各教室に加え、特別教室の一部にもエアコンが設置されました。より快適な環境で学習ができるようになります。
 

4 床の工事完了
 工事が終わった床は足を踏み入れるのを遠慮してしまうほどきれいに。
 

5 先生たちも
(1)校内の人材、オンラインを活用した研修で知識と技能のリニューアル。
(2)大学を卒業したばかりの元気な教員が仲間入り(自転車相当速いらしいです:暴走ではなく、競技で)。 

 ハード、ソフト両面から充実を図った冬季休業を経て、子供たちを迎えました。
 今日は、ハード面の変化に敏感に気付いた子供たちでしたが、そのうちにソフト面の変化にも気付いてくれるはずです。ソフト面の変化への気付きは、子供たちの笑顔が教えてくれることでしょう。

 

冬季休業中の学校

 本日から、冬季休業に入りました。
 子供たちがお休みだからこそできることをこの期間に一気に行います。

 ・工事(音楽室、食堂などのエアコン設置、教室のプロジェクター設置、床の張り替えなど)

 ・教材の点検・補修
 ・教室、特別教室の整理・整頓、清掃、次の学習の準備
 ・指導計画等の確認・修正
 ・研修(校外、校内、オンライン)
   iPad活用学習会(整備から活用へのステップアップ)                               
  
  教材教具展示会(授業で活用している教材教具を紹介し合い指導をバージョンアップ)
  
  

 今より一歩進んだ教育活動が展開できるようハード、ソフト両面から改善を図っています。
 1月から、授業の充実につなげられるようがんばります。

 

「整える」気持ちをもって楽しい冬休みを!

 今日は、冬季休業前最後の授業日。全校集会が行われました。
 
 教頭先生からは、しっかり感染症防止対策をしながら、冬休みを楽しもうというお話がありました。
 生活指導部の先生からは、冬休みの生活リズム、健康・安全に関わる話がありました。
 

 2つのお話を聞いていて、改めて「毎日同じリズムでコツコツと活動していくことが大切」だということを感じました。
 休みなんだから、少しぐらい・・・と思っているとなかなか元の生活に戻すことができなくなってしまいます。
 また、いつもと違うことをしていると楽しいですが、体には負担がかかってしまいます。そうすると、体の不調が出てきますよね。

 少し気持ちを楽に、楽しく過ごすことが悪いのではなく、大切なのは、大きく崩れないように「整える」ということです。 

 「整える」と書いたのは、ただ休めばよいということではないということを言いたかったからです。寝不足だから寝て回復する、はしゃぎすぎたから静かに過ごす、もちろんそうなのですが、好きな時間に好きなようにそれを繰り返すとどんどん生活リズムは崩れていきます。大切なのは、少しずついつものリズムに戻すということです。いつもの就寝・起床時刻に近づけていく、食事の時間を合わせていく、活動する時間を調整するなど、その意味で「整える」ということが大切です。

 冬休みは楽しいことをたくさんしながら、しっかり整えることも意識して、1月14日(金)からの授業開始に備えていただければと思います。

サンタクロースの読み聞かせ会

 12月13日(月)~15日(水)までの三日間で計6回、サンタクロースの読み聞かせ会が行われました。
 
 
 発案者は、校長先生。
 様々な方の協力を得て充実を図ってきた図書室をより身近に感じてもらおう、そしてたくさん本に触れてもらおうという意図にみんなが賛同し、トントン拍子で実施に至りました。

 会に参加を希望したのは小学部の児童のみでしたが、中学部の生徒はポスターを作成して校内に掲示してくれるなど、会の運営面で協力してくれました。
 
 参加する側から、運営する側へ。中学部に進学するとそういう役割の変化もあります。
 そして、何よりうれしかったのは、読み聞かせ会をしている図書室前の廊下を歩く中学部生徒の姿でした。
 小学部の児童が楽しそうに読み聞かせを聞いているのを見て、満足そうにニコニコ笑顔を見せているのです。
 「おっ、やってるな。」、「○○君、いい顔してるな。」そんな心の声が聞こえてくるようでした。自分たちも関わった企画だからこそ、後輩たちが楽しんでいることに喜びを感じるのでしょう。そういう温かい気持ちで人を支えることができる生徒たちが誇らしく思えました。

 小学部でも、会場の飾りを作ってくれた児童たちがいました。「私が作ったんだよ。」「これも、これも。」と自慢げに教えてくれる女の子に、たくさんの賞賛と、たくさんのありがとうを伝えました。
 やっぱり、誰かの役に立つとか、役割があるとか、自分の努力を見てもらえるとか、そういうことが子供たちの力の源になるのだなと感じました。

 肝心の読み聞かせ会の様子は・・・ 写真を見ていただければ一目瞭然です。
 校長先生、いやサンタクロースが、「子供たちの視線に圧倒された。」と言うとおり、サンタクロースの読み聞かせに子供たちの視線は釘付け。
 よい時間を過ごしたことは間違いありません。
 
  
 

 

 

生徒会選挙投票日

 校内を歩いていると、選挙ポスターと選挙公約が掲示されています。
 
 生徒会長の立候補者は3名、それぞれにテーマを掲げてアピールしています。
 よりよい学校にしたいという気持ちはみんな同じですが、どこに切り込むのかはそれぞれの性格がよく表れているなと思いました。
 「優しさ」、「平和」、「みんなで掃除」、どれも大切なことですね。
 共通している視点は、他者との望ましい関わりの中で生きていこうとする気持ちでしょうか。

 他者を大切にするという姿勢が根底にあることが感じられると投票する側としては、安心感がありますよね。

 さて今日は、「生徒会選挙投票日」。
 
 体育館には、本物の選挙さながらのセッティングがされていました。
 本物の記入台、本物の投票箱を借用してきて、中学部3年生が準備をしてくれたそうです(3年生は選挙の立会人の役割も務めました)。  
  
 生徒たちは、候補者の掲げるテーマ、公約を見ながらじっくり考えた上で、会長1名、副会長2名の投票を行っていました。
 書くことが難しい生徒は、投票したい候補者の箱にボールを入れて意思表示するなど、工夫しながら行われていました。みんなの意思を聞く姿勢がとてもいいなと思いました。

 選挙結果にかかわらず、他者を大切にする気持ち、他者の思いをしっかり受け止めようとする態度をもった生徒たちですから、きっと令和4年度の八戸第二養護学校生徒会も望ましい方向に進んでいくだろうと期待しています。
 
 

 

中学部修学旅行

 12月3日(金)中学部3年生24名が修学旅行(八戸市内日帰り)に行ってきました。
 当初の計画から行き先変更、延期など様々な困難を乗り越えての実施となりました。

 八戸市又は近隣町村在住の人に八戸市内の旅行?そこに学びはあるの?・・・誰もがそう心配すると思います。
 しかし、心配するなかれ。
 八戸で生まれ育った私でも初めての体験、初めての知識、初めての風景がたくさんありました。
 そして何よりも、自動車とバスという物理的な視線の違い、日常と旅行という心理的な視点の違いによって八戸の街が全く違う街に見えたことが驚きでした。気分はまさに旅行でした。
 普段何も考えていないのだと言われればそれまでですが、逆に言えば少し見方を変える、設定を変えるだけで同じものが異なる価値を見せてくれることもあるのだということです。私にとってはそれが今回最大の学びでした。
 
 中学部の先生方の綿密な旅行計画と準備、そして修学旅行に向けての学習の積み重ねのおかげで、慣れ親しんだ「八戸」をいつもとは別の角度から味わうことができました。
 これから八戸で生きていくであろう生徒たちにとって、今まで知らなかった「八戸」を味わい、「八戸」の奥深さを学ぶとても価値ある修学旅行になったのではないかと思います。

 前置きが長くなりましたが、中学部修学旅行の様子を報告します。
 
 盛大にお見送り。これだけでも特別感がグンと上がります!
  

 
最初の目的地は、おがみ神社。八戸では一番古い神社なのだそうです。
 約300年前に「八戸三社大祭」が始まった神社です。
 ここには、5つの神様がいるのだそう。神様を数えるときは「柱」と数えるらしい。

   

 次は、八戸市美術館。11月にオープンしたばかりです。八戸の新しい部分を体験します。
   

 そして、八戸パークホテルへ。旅行の楽しみの一つである食事。
 ナイフとフォークの使い方を確認しながら慎重に。
 食事の後は、生徒が考えた「中3クイズ」で盛り上がりました。
   

 お土産の購入はユートリーで。
 家族の希望と予算と相談しながら品定め。
 自分の判断でたくさんのお金を使うことはめったにないので、ちょっと大人になった気分。
  
 
 最後は、是川縄文館へ。
 様々な形の土器を探したり、土偶の顔を見比べたり。○○先生に似ている土偶を発見した人も。
   

 宿泊はありませんでしたが、濃い1日を過ごしました。
 
 小学部6年生の修学旅行で一緒に盛岡に行ったときもそのときと場に応じて自分たちなりに楽しめる子たちだなと感じていましたが、今回はさらに自分たちで考え行動する力がプラスされて、たくましくなったなあと思いました。

 八戸の魅力を再発見、中学部の生徒がもっている力を再発見する修学旅行となりました。  


 


革に触れてみよう

                    【今回は中学部の先生が記事を書いてくれました】
 中学部1学年では、11月22日(月)にレザークラフトの授業を行いました。

 この授業は、日本皮革産業連合会で主催している『キッズレザープログラム』という事業に申し込み、生徒たちの身近だけど、しっかりと見たことがあまりない革という素材を使って作品を作ったり、実物の大きな革に触れたりすることで革への親しみをもってもらえるような体験をしてもらいたいなと思って行いました。

 

 この事業では、体験用の革をお借りしたり、端切れをいただいて革の作品作りをしたりしました。生徒たちは、牛や馬、へびなどの知っている動物の他に、ダチョウやオットセイなどなかなか触ることのない本物の革に興味津々でした。「大きくてかっこいい!」と羽織ってみたり、「手触りがいいね」と友達と一緒に広げてみたりして楽しみながら学習に取り組んでいました。
   

 

 革で作った作品も色とりどり、個性があふれる素敵な作品となりました。
 

体験学習にチャレンジ

 毎年この時期になると、「体験学習」が本格化します。
 「体験学習」は、本校への就学を考えている方が教育活動に参加し、期待感と安心感をもって入学・転学できるように実施しているものです。
 小学部に入学してくる予定の年長さんも体験に来ますし、小学校6年生も体験に来ます。

 もちろん、本校の6年生も中学部の体験学習を行います。
 同じ学校にいるとはいえ、中学部に進学すると新しい学習が始まり、学校の中での役割も変わってくるからです。

 ちょうど今日、本校6年生の体験学習が行われ、中学部から始まる「作業学習」を体験していました。

 ペットボトルのラベル剥がし            紙の材料を攪拌                消臭ポットづくり
   
        
 体験学習では、いつも一緒に学習している担任の先生ではなく、中学部の先生の話を聞いて取り組みます。いつもは阿吽の呼吸で動いているところでも、しっかり話を聞き、理解しながら取り組まなければ上手く動けません。
 そういう意味では、これまでの学習の積み上げが試されるときでもあります。

 担任の先生方もそんな気持ちで作業に取り組む子供たちを見ていたのではないでしょうか。おそらく、心の中で「そう。そう。」「よし!」とつぶやきながら。

 私は、そんな姿を見ていて、たまには違う先生と一緒に学習すること、お試しの気持ちでチャレンジさせてみることは大切なことだなと思いました。
 いつも一緒だと見えなくなってしまうところがあるかもしれないと感じたからです。

 それだけ、今日見た小学部の子供たちは私のイメージを超えるところでがんばっていました。6年生の子供たちは思った以上に力を付けています。
 無理してやることはありませんが、少しずつ少しずつ今ある力を別の環境の中で発揮できるようにチャレンジの機会を作っていけたらいいなと思いました(学校でも、家庭でも)。
 
 そして、チャレンジするときには、その道標となる先輩の存在は欠かせません。
 今日は、中学部の皆さんの学習態度に引っ張られるように6年生の力が発揮されたように思います。今後もよき先輩として、よき手本として、次に続く人たちを引っ張っていってほしいと思います。